『相続した財産を売却するとかかる譲渡所得税とは?』
太郎さん
先日、相続で不動産と株式を引き継ぎました。将来売却するかもしれないのですが、相続税とは別にどんな税金がかかるのか心配です。
たかこサン
相続で取得した財産を売却すると、売却によって得た利益(譲渡所得)に対して所得税・住民税がかかる場合があります。特に不動産は金額が大きくなりやすいため、基本的な仕組みを知っておくことが大切です。
【譲渡所得の計算方法】
売却価格 −(取得費+譲渡費用)= 譲渡所得
ポイント① 相続税とは別の税金
相続税を納めていても、売却益が出れば譲渡所得税の対象になります。
ポイント② 取得費の考え方
取得費は、亡くなった方が購入したときの金額を相続人が引き継ぎます。
購入金額は、土地であれば売買契約書、建物であれば工事請負契約書などで確認します。建物については、売却までの減価償却も考慮する必要があります。
株式は、証券会社等に購入単価がわかる資料を依頼して確認します。
ポイント③ 譲渡費用として差し引けるもの
売却のために直接かかった費用は、譲渡費用として差し引くことができます。
(例)不動産の仲介手数料、売買契約書の印紙代、測量費や解体費など
ポイント④ 短期譲渡か長期譲渡か
取得から5年を超えると「長期譲渡」となり、譲渡所得に対する税率が低くなります。この5年の判定は、亡くなった方がその財産を取得した日から通算して行います。
太郎さん
相続税を払ったうえで、売却時にも税金がかかる可能性があるのですね・・・。
少しでも負担を抑える方法はありますか?
たかこサン
はい、相続した財産を売却した場合には、税負担を軽減できる譲渡所得の特例があります。
●相続税の取得費加算の特例
相続税を支払っている場合、その一部を取得費に加算することができます。
取得費が増えることで譲渡所得が減り、結果として税負担を軽減できる可能性があります。ただし、相続開始から3年10か月以内に売却することなどの要件があります。
●空き家の3,000万円特別控除
亡くなった方が一人で住んでいた自宅を相続し、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。
【主な要件】
・亡くなった方が一人暮らしをしていた自宅であること
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
・相続後、売却まで賃貸や事業用に使用していないこと
・相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
売却時には耐震改修を行うか、建物を取り壊して更地で売却する必要があります。
この特例は、要件が多いため事前の確認が大切です。
なお、不動産以外にも、株式・ゴルフ会員権・貴金属・美術品・投資信託など、売却時に譲渡所得がかかる財産があります。
相続財産を処分する際は、売却方法や時期、特例の活用によって税負担が変わることがあります。税務の専門家に相談しながら進めることをおすすめします。















































