『不動産の名義変更と税金の注意点』
太郎さん
最近、“生前に家の名義を子どもへ変えておけば安心だし、相続税対策になる”という話を聞きました。名義変更だけなら簡単そうですが、実際のところはどうなのでしょうか?
たかこサン
不動産の生前贈与は相続対策の一つですが、“名義を変えるだけ”という理解で進めるのは注意が必要です。実際には複数の税金や将来の相続への影響が関係します。主なポイントを整理すると次の通りです。
●贈与税
受贈者1人につき年間110万円の基礎控除を超える部分に累進課税
不動産は評価額が高くなりやすく、高額課税になる可能性あり
●登録免許税
相続:固定資産税評価額 × 0.4%
贈与:固定資産税評価額 × 2.0%
名義変更の時点で大きな差が生じる
●不動産取得税
原則:固定資産税評価額 × 3~4%
相続では非課税だが、贈与では課税対象
●相続税への影響
小規模宅地等の特例(最大80%評価減)が使えなくなる可能性
夫婦間の贈与の場合は将来の二次相続も含めると逆に税負担が増えるケースあり
太郎さん
単純に名義を変えればいいという話ではなさそうですね・・・では、生前贈与はあまりメリットがないのでしょうか?
たかこサン
そうとも限りません。
例えば、将来的に不動産価格の上昇が見込まれる場合や、賃貸不動産を早めに承継して家賃収入を次世代へ移したい場合には、生前贈与が有効になることがあります。
また、相続時精算課税制度を利用することで、一定額まで贈与時の課税を抑えつつ財産移転を行う方法もあります。ただし、制度を選択すると暦年課税へ戻れないことや、最終的には相続財産へ持ち戻して精算する点など、慎重な検討が必要です。
太郎さん
単純に早く渡したほうが得という話ではないんですね。税金だけでなく、将来の相続全体を見て考えないといけないことがよくわかりました。
たかこサン
その通りです。不動産の生前贈与は、贈与税・不動産取得税・登録免許税といった“今かかる税金”だけでなく、将来の相続税や二次相続、さらには不動産の管理や売却まで含めて検討する必要があります。
ご家庭ごとに最適な方法は異なりますので、“とりあえず名義変更しておこう”と判断する前に、税理士・司法書士などの専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。















































