『相続について考えるきっかけづくりとして』
Aさん
最近ちょっと体調を崩してしまって…。もし突然自分に万が一のことがあったらと思うと、相続について漠然とした不安を感じるようになってきました。
何か簡単にできることから始めたいのですが…。
たかこサン
それは大切な気づきですね。ご自身がお元気なうちに「もしも」に備えて考えることは安心にもつながります。まずはエンディングノートで想いや希望について整理してみてはいかがでしょうか?
Aさん
エンディングノートってよく聞きますけど、遺言書とはどう違うのでしょうか?
たかこサン
遺言書は、法的な効力があり、財産の分け方などを確定できます。
一方、エンディングノートは、法的な効力はありませんが、ご自身の想いや希望を家族に伝えるための大切なツールです。財産の一覧、葬儀の希望、延命治療の有無、ペットのお世話のことなど、幅広く自由に書けます。
最近は特に、デジタル資産も整理が必要です。ネット銀行や証券口座、クレジットカード、電子マネー、ポイント、さらにはSNSや写真データ、仮想通貨などは、家族が存在を知らなければ、手続きができず失われてしまうことがあります。
Aさん
なるほど。エンディングノートなら気軽に始められそうですね。
たかこサン
たとえば「長男に家を継いでほしい」といった想いを理由とともに残しておけば、遺産分割での誤解や争いを防ぐ助けになります。
また、財産の全体像をまとめておくことで、相続税の申告など期限がある手続きをスムーズに進めることにも役立ちます。
特にデジタル資産は、紙の通帳や証券とは違って目に見えない分、記録しておかないと存在自体が分からなくなってしまいます。
エンディングノートは、ご自身の想いや希望を考えるきっかけになります。
そして「財産の分け方をきちんと決めたい」と思われたら、遺言書の作成も検討すると良いでしょう。遺言書は形式や書き方に注意が必要ですので、その際は専門家に相談されることをおすすめします。