家族信託による流通税の取り扱い

Aさん

 私(80歳)は不動産をいくつか所有しておりますが、その中にはテナントビルもあります。将来、自身が認知症になった場合の管理面や、相続税、毎年の所得税の負担などを考慮して、そのテナントビルの建物を私の子供が設立した資産管理会社に売却したいと考えています。

 ただ、そうすると資産管理会社への名義変更の際の流通税(登録免許税、不動産取得税)が高額になると聞きました。なるべく、コストを抑えて資産管理会社に名義を変更する方法はないでしょうか?

たかこサン

 Aさんがおっしゃるように、「建物の現物売買」という形で、資産管理会社へ建物の名義を変更する場合には、以下の流通税がかかります。

  • ① 登録免許税:建物の固定資産税評価額の2%

(固定資産税評価額が1億円の場合200万円)

  • ② 不動産取得税:建物の固定資産税評価額の4%

(固定資産税評価額が1億円の場合400万円)

これに対して、家族信託」という仕組みを使うと、これらの税金を軽減することができますご長男さんにテナントビルの管理を任せ(受託者とし)、いったんAさん自身を受益者にしたうえで、受益権を資産管理会社に売却するという仕組みです。

「家族信託」の仕組みを使った場合の建物の名義変更にかかる流通税は以下のとおりです。

  1. ① 登録免許税:不動産の固定資産税評価額の0.4%

(固定資産税評価額が1億円の場合40万円)

  • ② 不動産取得税:非課税

 「家族信託」の場合は、「建物の現物売買」と比較して、登録免許税の税率が軽減されています。また、「家族信託」の場合は、不動産取得税が非課税となるのがポイントです。これは「受益権」という“権利”をAさんから資産管理会社に売却することになるため、資産管理会社は“不動産”自体を取得したことにはならないからです。

 仮に固定資産税評価額が1億円の場合は、「不動産現物の売買」のときに比べて560万円流通税が軽減されます。

 「受益権の売買」という形にはなりますが、賃料収入を得るのは受益者である資産管理会社であり、その点については「建物の現物売買」のときと同じ効果を享受できます。

 「家族信託」をこのような形で利用すると、流通税の負担が軽減されます。ただし、慎重に設計しなければ、思わぬ課税が発生してしまうこともあります。検討される場合は、家族信託に強い専門家に相談されることをお勧めします。

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